能率10訓
						能率の要諦をまとめた「能率10訓」
						
						10訓(10則も同様)とは、教えを10箇条にまとめたものです。
							上野陽一は「能率」を普及させるにあたってさまざまな工夫を凝らしていますが、その要諦を能率10訓としてまとめたものは、現代においてもさまざまな場面で引用されており、今なお脈々と息づいています。
						
							
								- 1.
 
								- ドンナ イトナミヲ スルニモ ソノ 目的ト 目標トヲ アキラカニ シ マズ コレヲ 確立セヨ. 目的ト 目標ノ ハッキリ シナイ トコロニワ ハゲミガ オコラヌ.
 
							
							
								- 2.
 
								- ソノ 目的ト 目標ヲ 達スル タメニ モットモ 適合シタ 手段ヲ エランデ コレヲ 実行ニ ウツセ.
 
							
							
								- 3.
 
								- モシ ソノ 手段ガ 目的ト 目標ニ 適合シテ イナイト アルイワ ムダ アルイワ ムリ ヲ ウム.
 
							
							
								- 4.
 
								- ヒト・モノ・カネ ヲ ハジメ 時間モ 空間モ コレヲ 十分ニ 活用スル ヨーナ 目的ノ タメニ ツカエ.活用ガ タダシク ナイト ヤハリ ムダ マタワ ムリヲ ウム.
 
							
							
								- 5.
 
								- ムダト ムリ トワ ソノ 性質 相反シ ヨノナカニ ムラヲ ツクリダス モトニ ナル.
 
							
							
								- 6.
 
								- ムラガ ヒドク ナルト 大事ヲ オコス. ツネニ ムダヲ ハブキ ムリヲ ノゾイテ ムラヲ スクナク スルコトニ ツトメヨ. コレヲ オコタルト 社会ワ 不安ニ ナル.
 
							
							
								- 7.
 
								- 能率トワ ムラヲ ヘラシテ スベテノ ヒト ト モノト カネ トガ イカサレテ イル 状態デ アル.
 
							
							
								- 8.
 
								- スベテノ モノ(ヒト モノ カネ 時間 空間)ヲ イカス モノワ イカサレ コレヲ コロス モノワ コロサレル.
 
							
							
								- 9.
 
								- 人生一切ノ イトナミガ コノ 能率ノ 主旨ニ モトヅイテ オコナワレ ナケレバ 社会ワ 安定セズ 人類ワ 幸福ニ ナレナイ.
 
							
							
								- 10.
 
								- ソノ タメニワ 個人モ 家庭モ 企業 ソノ他ノ 団体モ ソノ イトナミヲ 能率的ニ 運営スルコトガ 必要デ アル.
 
							
							以下は現代仮名遣いでの表記です。
							
								- 1.
 
								- どんな営みをするにもその目的と目標とを明らかにし、まずこれを確立せよ。目的と目標のはっきりしないところには励みが起こらぬ。
 
							
							
								- 2.
 
								- その目的と目標を達するために、もっとも適合した手段を選んでこれを実行に移せ。
 
							
							
								- 3.
 
								- もしその手段が目的と目標に適合していないと、あるいはムダあるいはムリを生む。
 
							
							
								- 4.
 
								- ヒト・モノ・カネをはじめ時間も空間もこれを十分に活用するような目的のために使え。活用が正しくないとやはりムダまたはムリを生む。
 
							
							
								- 5.
 
								- ムダとムリとはその性質相反し、世の中にムラを作り出す元になる。
 
							
							
								- 6.
 
								- ムラがひどくなると大事を起こす。常にムダを省きムリを除いてムラを少なくすることに努めよ。これを怠ると社会は不安になる。
 
							
							
								- 7.
 
								- 能率とはムラを減らして全てのヒトとモノとカネとが生かされている状態である。
 
							
							
								- 8.
 
								- すべてのもの(ヒト モノ カネ 時間 空間)を生かすものは生かされ、これを殺すものは殺される。
 
							
							
								- 9.
 
								- 人生一切の営みがこの能率の主旨に基づいて行われなければ、社会は安定せず人類は幸福になれない。
 
							
							
								- 10.
 
								- そのためには個人も家庭も企業その他の団体も、その営みを能率的に運営することが必要である。