湘南ベルマーレとの新コラボ科目キックオフ!
パートナー企業と新たな価値を創造し地域に還元
情報マネジメント学部 教授 小野田 哲弥
- #地方創生・産学連携
- #課題解決・PBL・アクティブラーニング
- #経営戦略
- #地域
- #企業連携
ピッチ上で躍動する選手たちの背中でひときわ目を引く「産業能率大学」の文字。国内大学初となるJリーグユニフォームスポンサーとして知られる本学と湘南ベルマーレとの連携は、2004年1月にスタートしました。それ以降、スポーツビジネスの第一線で活躍する実務家を招聘した科目開発、関東大学リーグ1部昇格を目指すサッカー部への指導者派遣など、湘南キャンパス(情報マネジメント学部)におけるカリキュラムの発展と課外活動の充実は、湘南ベルマーレとのパートナーシップを抜きにして語ることができません。
本コラムでは、20年以上にわたる密接な関係性の上に、満を持して2025年度に開講された通年科目「湘南ベルマーレ コラボレーション プロジェクト」について、その活動内容と学習効果、そして産学連携による地域創生への貢献を、動画とともに紹介します。
本コラムでは、20年以上にわたる密接な関係性の上に、満を持して2025年度に開講された通年科目「湘南ベルマーレ コラボレーション プロジェクト」について、その活動内容と学習効果、そして産学連携による地域創生への貢献を、動画とともに紹介します。
1.湘南ベルマーレのサポーターを、パートナー企業のサポーターへ。
Jリーグの売上高で最も大きなウエイトを占めるのは、全クラブで共通して「スポンサー収入」です(資料1)。湘南ベルマーレを財務面で支えている協賛企業各社に「スポンサードしてきて良かった。これからも支援したい」と思っていただくためには、湘南ベルマーレを応援するサポーターの方々から、クラブと同様に協賛企業に対しても「湘南地域に不可欠な存在」としての愛着が芽生える取り組みが必要です。
本科目が目指したのは、そのためのイベント(アクティベーション)の企画と運営です。企業知名度を向上させるだけでは従来型の広告協賛と変わりがありません。SDGsに象徴される社会的課題の解決に貢献する企業としての認知を高めるためには、「いま重要な社会課題は何か」という調査・研究が出発点となります。さらに本科目に期待されているのは、湘南ベルマーレでの社内提案にはないような、若者ならではの柔軟な発想にもとづく「プロスポーツクラブを活用した新しい社会価値創造」という高い目標でした。
本科目が目指したのは、そのためのイベント(アクティベーション)の企画と運営です。企業知名度を向上させるだけでは従来型の広告協賛と変わりがありません。SDGsに象徴される社会的課題の解決に貢献する企業としての認知を高めるためには、「いま重要な社会課題は何か」という調査・研究が出発点となります。さらに本科目に期待されているのは、湘南ベルマーレでの社内提案にはないような、若者ならではの柔軟な発想にもとづく「プロスポーツクラブを活用した新しい社会価値創造」という高い目標でした。
2.根拠にもとづき、自分たちらしさで前例を超える
前学期のクライマックスは、株式会社湘南ベルマーレの社長をはじめとする役員を招いての企画審査会でした。2025年度の履修者30人を6人ずつの5チームに分けて授業内コンペティションを行いました。
提案内容は斬新さのみで評価されるわけではなく、根拠を伴わなくてはなりません。その参考となったのが2024年度に「インターンシップⅡ」という科目内で実施したトライアルの実績と、年に一度の冠試合「産業能率大学スペシャルデー」(2025年度は6月1日に開催)で回収した来場者アンケート(N=432)のデータでした。
本科目が開設された背景にあるのが前者での成功(資料2)であり、「2024年問題」に直面する運送業界に着目した「配送ダービー」という時宜に適った参加型企画でした。正規の初年度としてトライアルを上回りたい。そしてクラブが思いも寄らなかったアイディアで勝負したい。その強い意志の下、全チームが後者のアンケート結果を起点に知見抽出(資料3)を実践し、中間プレゼンで湘南ベルマーレ社員の方からの厳しい指導を経て、7月4日(金)の本番を迎えました。各チームのターゲット業界と企画概要は以下の通りです。
提案内容は斬新さのみで評価されるわけではなく、根拠を伴わなくてはなりません。その参考となったのが2024年度に「インターンシップⅡ」という科目内で実施したトライアルの実績と、年に一度の冠試合「産業能率大学スペシャルデー」(2025年度は6月1日に開催)で回収した来場者アンケート(N=432)のデータでした。
本科目が開設された背景にあるのが前者での成功(資料2)であり、「2024年問題」に直面する運送業界に着目した「配送ダービー」という時宜に適った参加型企画でした。正規の初年度としてトライアルを上回りたい。そしてクラブが思いも寄らなかったアイディアで勝負したい。その強い意志の下、全チームが後者のアンケート結果を起点に知見抽出(資料3)を実践し、中間プレゼンで湘南ベルマーレ社員の方からの厳しい指導を経て、7月4日(金)の本番を迎えました。各チームのターゲット業界と企画概要は以下の通りです。
2班:製造業界(ITが支えるモノづくりを周知してDX人材の確保につなげる)
3班:建設業界(施工管理ゲームを通じて業界の魅力を伝え人材不足解消に)
4班:電力業界(スタジアム周辺を電飾し暮らしを支えるエネルギーに関心を)
5班:食品業界(地産のフルーツ牛乳の開発により朝食欠食問題にアプローチ)
3.営業による挫折経験こそ、本科目ならではの社会勉強
審査員の期待の上を行くプレゼンテーションにより、当初は1つの企画のみ採用する予定でしたが、1班の「霊園を『感謝を伝える場』に再定義し心豊かな絆を強化する」と2班の「ITが支えるモノづくりを周知してDX人材の確保につなげる」の2つの企画が採用されました。ただし審査に合格したからといって実現が確定したわけではなく、候補となるパートナー企業を学生自ら営業訪問し、協賛獲得まで漕ぎつけなければなりません。企画が不採用となった3チームもどちらかのチームに加わって、夏休み中の営業活動に邁進することとなりました。
営業の成功は約束されていないため、協賛が得られず全イベントが実施できないリスクも抱えています。ですが、それこそが実務さながらのリアリティであり、本科目最大のオリジナリティといえるでしょう。実際に本年度は2班の「モノづくり」企画が見送りとなり、日の目を見たのは1班の「感謝」企画のみでした。
2班の「モノづくり」チームが折衝を重ねたのは、湘南キャンパスと同じ伊勢原市に本社を構える世界的な金属加工メーカーの株式会社アマダ(資料4)です。イベント実施日が10月19日にも関わらず、営業訪問日は2か月前を切った8月21日でした。スケジュール的に土台無理な提案だったにも関わらず温かく迎え入れ、実現への検討を真摯に重ねてくださいました。希望は叶わなかったものの、大企業における社内稟議プロセスや、ターゲットと実施時期の最適化(小学生なら夏休みの自由研究時期の需要がピーク)など、履修者たちはかけがえのない学びの財産を得ることができました。
他方、1班の「感謝」チームも決して順風だったわけではありません。初の営業訪問となった湘南ふじみ霊園(資料5)では、業界・企業分析の未熟さ、会話のやり取りの中で相手を説得する営業の難しさを痛感しました。しかしながら、複数企業にアプローチする企画だったこともあり、その時の挫折感と悔しさをバネにした学生たちの成長には目を見張るものがありました。つづく株式会社パイロットコーポレーション(資料6)では、万年筆に始まる社史を研究して伺ったことが功を奏し、特別感のある「万年筆」による手書きメッセージへと企画を進化させることができました。また「霊園の再定義」の趣旨に通底する、お盆に限らず霊園への訪問を促すイベントをすでに実施している湘南森林霊園(資料7)、ライフステージ全般に携わるトータルライフサポートカンパニーの株式会社サン・ライフホールディング(資料8)への営業訪問も相次いで成功させることができました。両社からは協賛金の拠出のみならず、前向きに人生を振り返り、お世話になった人にメッセージを伝えるためのオリジナルパンフレット「感謝を届けるエンディングノート」の監修でもお世話になりました。
営業の成功は約束されていないため、協賛が得られず全イベントが実施できないリスクも抱えています。ですが、それこそが実務さながらのリアリティであり、本科目最大のオリジナリティといえるでしょう。実際に本年度は2班の「モノづくり」企画が見送りとなり、日の目を見たのは1班の「感謝」企画のみでした。
2班の「モノづくり」チームが折衝を重ねたのは、湘南キャンパスと同じ伊勢原市に本社を構える世界的な金属加工メーカーの株式会社アマダ(資料4)です。イベント実施日が10月19日にも関わらず、営業訪問日は2か月前を切った8月21日でした。スケジュール的に土台無理な提案だったにも関わらず温かく迎え入れ、実現への検討を真摯に重ねてくださいました。希望は叶わなかったものの、大企業における社内稟議プロセスや、ターゲットと実施時期の最適化(小学生なら夏休みの自由研究時期の需要がピーク)など、履修者たちはかけがえのない学びの財産を得ることができました。
他方、1班の「感謝」チームも決して順風だったわけではありません。初の営業訪問となった湘南ふじみ霊園(資料5)では、業界・企業分析の未熟さ、会話のやり取りの中で相手を説得する営業の難しさを痛感しました。しかしながら、複数企業にアプローチする企画だったこともあり、その時の挫折感と悔しさをバネにした学生たちの成長には目を見張るものがありました。つづく株式会社パイロットコーポレーション(資料6)では、万年筆に始まる社史を研究して伺ったことが功を奏し、特別感のある「万年筆」による手書きメッセージへと企画を進化させることができました。また「霊園の再定義」の趣旨に通底する、お盆に限らず霊園への訪問を促すイベントをすでに実施している湘南森林霊園(資料7)、ライフステージ全般に携わるトータルライフサポートカンパニーの株式会社サン・ライフホールディング(資料8)への営業訪問も相次いで成功させることができました。両社からは協賛金の拠出のみならず、前向きに人生を振り返り、お世話になった人にメッセージを伝えるためのオリジナルパンフレット「感謝を届けるエンディングノート」の監修でもお世話になりました。
4.新たな“三方良し”により、湘南地域を盛り上げていきます!
準備に万全を期して迎えた10月19日(日)のイベント本番は、「ありがとう」を伝え合う心温まる雰囲気に包まれました。来場者アンケート(N=248)では、イベント参加を通じて「感謝を伝えたい気持ちが強くなった」と89.9%の方々にお答えいただくともに、自由記述でも以下のような熱いメッセージをいただくことができました。
・去年夫を亡くしたので、思い出してうるうるしました。夫の葬儀の際には、サン・ライフさんにお世話になったので、感謝の気持ちでいっぱいです。(60代女性)
・介護の仕事をしています。エンディングノートは感慨深く、興味がありました。なかなかこのような機会がないので、参加できてよかったです。(30代女性)
・普段伝えられない言葉を伝えられてよかった。こういった機会をいただきありがとうございます。(10代男性)
パートナー企業のブランド価値向上、クラブの収益拡大、そして履修学生の成長という「新たな“三方良し”」を標榜してスタートした本科目。「感謝報告会」と題した11月21日(金)の成果報告会をもって初年度を成功裡に終えることができたのは、湘南ベルマーレからの多大なるご支援と、協賛企業の皆さまのご理解ご協力の賜物と深謝いたします。まだ小さな一歩を踏み出したに過ぎませんが、湘南ベルマーレのクラブスローガン「たのしめてるか。」を胸に、履修者に充実した学びを提供しながら、湘南地域の活性化の一助となれるよう、2年目以降も全力で努めてまいります。ぜひご注目ください。
資料1) Jリーグ公式サイト「2024年度J1クラブ決算一覧」: https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/club_info/j_kessan-2024.pdf
資料2) 湘南ベルマーレ公式サイト「【開催報告】11月30日(土)横浜FM戦 産業能率大学インターンシップⅡ学生考案アトラクション「運べ!進め!配送ダービー!!」」: https://www.bellmare.co.jp/356178
資料3) 小野田哲弥,柴田明彦,矢部則之,安倍麻樹子,田中慎太郎(2023)「マス・コラボレーションによるデータドリブンな業界研究」『コンピュータ&エデュケーション』54, pp.60-65: https://www.jstage.jst.go.jp/article/konpyutariyoukyouiku/54/0/54_60/_pdf/-char/ja
資料4) 株式会社アマダ: https://www.amada.co.jp/ja/
資料5) 湘南ふじみ霊園: https://www.forever-kato.co.jp/osusume-reien/shonanfujimi/
資料6) 株式会社パイロットコーポレーション: https://www.pilot.co.jp/
資料7) 湘南森林霊園: https://smp-shinrin.jp/
資料8) 株式会社サン・ライフホールディング: https://sunlife-hd.jp/









